Pentax Fan

ペンタックスカメラ、レンズのファンサイトです。撮影、編集テクニックも紹介しています。

「1/焦点距離 = 手ブレしないシャッター速度」という「迷信」

   

「迷信」というのはどうかとも思いますが、この言葉を使うプロもいらっしゃったので。

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デジ一を長く使ってる人にはお馴染みですが、一般的に手持ち撮影時の手ブレをおこさないシャッター速度は「1/焦点距離」と言われます。でもそれはあくまで目安であって、それを意識しすぎる必要はないですよというお話です。

_IGP9029
カメラ:PENTAX K-5 II s   ISO:800  露出:1/60sec  F値:2.4  焦点距離:70mm 

焦点距離はレンズの焦点距離を指します。例えばFA31mmだと「31mm」、サンヨンだと「300mm」。ここで言われる手ブレしない「1/焦点距離」はフルサイズ換算のことを一般的には指すので、APS-Cのペンタックス機だと1.5倍する必要があります。

つまりFA31mmの場合31×1.5=46.5mm

そのためこの公式に当てはめると手ブレしない速度は
1/46.5(秒)
ということになります。

SSが1/50以上出ていれば大丈夫ということです。「以上」というのは言葉の綾なので「1/50秒以上」と言った場合は「1/50秒より速い速度」です。1/60とか1/100とか。

これがよく言われるのは夜にスナップを撮る時ですね。でも看板写真のEXIFを見て頂ければお分かりの通り、DA70mmを使ってシャッター速度が1/60秒でも手ブレはしていません。

一眼レフで撮影する時は手ブレ(シャッターブレを入れてもいいと思いますが)は本当に気をつけないといけない要素だと思います。

以前も書きましたが、「一眼レフを信じて買ったのに」「いいレンズのはずなのに」なんだかすっきりしない写真しか撮れないというのは、プロや上級者でもない限りほとんどのケースで手ブレかシャッターブレです。

パッと見た感じ分からなくても等倍表示でチェックすると一目瞭然だったりします。以前書いたことの繰り返しになりますが、レンズやボディの評価は「まず3つのブレ(被写体ブレ、シャッターブレ、手ブレ)がない」写真を撮ってからすべきだと思います。

さて、偶然そんな例を撮れたことがあったので並べてみたいと思います。

_IMG3279
カメラ:PENTAX K-3   ISO:1000  露出:1/25sec  F値:4.0  焦点距離:18mm 

_IMG3280
カメラ:PENTAX K-3   ISO:1250  露出:1/25sec  F値:4.0  焦点距離:18mm 

どちらもDA18-270mmレンズで広角側の18mmで撮り、F値は4で固定、Aモードで撮影しています。ISOは多少異なりましたが、SSは同じになりました。

写真をクリックすると横幅が1024pxの写真になりますが、この段階でも見る人が見ると下の写真の方が「なんだか眠い」と感じるはずです。

等倍でチェックすると下の写真はどこを見ても、本来ピンが合っているはずの場所でさえ「もやっ」としていて、これが「眠い写真」になってしまっています。

逆に上の部分はハンバーグの右肩からサラダにかけてにピンが来ていて、等倍で見てもすっきりしています。

これ、風景写真でも同じことが言えます。一眼レフで撮ればプロのような風景写真が撮れる!と意気込んで撮影しても、なぜか眠い写真ばかりになる。これもほとんどが手ブレです。

だからプロは風景写真を撮る時ですら(むしろ風景写真だからこそ)三脚を使うのです。近景から遠景まで写し取るオブジェクトをすべてブレなしにすっきり解像させようと思うと、微細な振動もブレになってしまって即「眠い写真」になってしまうからです。

さて、わたしの本職(…)である鳥撮りですが、ここまで超望遠になってくると手ブレはもっとシビアになりますし、ほとんど天敵と言っていいほどになります。

たとえばこの写真。
_IGP9422
カメラ:PENTAX K-5 II s   ISO:800  露出:1/800sec  F値:7.1  焦点距離:0mm 

これはボディがK-5IIs、レンズがBORG 71FL、これにF-AFアダプターとAC3レンズを入れています。天気があまり良くなかったので解像しなくても仕方ないと言えるかもしれませんが、等倍で見ると解像していない原因の一つにやっぱり「手ブレ」していることが分かるんです。

このセットだと400mm*1.5*1.7*(約)0.8でだいたい800mm前後の(フル換算で)焦点距離になります。

SSが1/800秒出ているので公式に従えば手ブレしないはずなんですけどね。気を抜くとすぐにこういう手ブレした甘い写真になるのが超望遠の世界の特徴です。威張ることじゃないですけど。

で、ここ数ヶ月のわたしの持論は「長い焦点距離で手ブレしてしまうぐらいなら、焦点距離はあまり稼がず、手ブレしない写真をきっちり撮った上でトリミングしてフレームを合わせる」方がいいと思っています。

そのサンプルを一つ。トリミングしている写真です。
_IMG7476
カメラ:PENTAX K-3   ISO:1000  露出:1/800sec  F値:4.5  焦点距離:550mm 

これはわたしがよく「素のBORG」と呼ぶ構成で、BORG 71FLをそのままカメラボディにつなげている構成です。ほかはなにも入れていない、BORGとしては一番解像する構成です。

解像する代わりにオートフォーカスが使えないのですべてマニュアルフォーカス撮影になります。

EXIFデータを見ると分かって頂ける通り、SSはさっきと同じ1/800秒です。素のBORG 71FLだと400mmなので、手ブレしない公式を計算すると1/(400*1.5)で1/600秒となり、1/800も出ていればそもそも手ブレしない速度ではあるんですが。

数百枚撮った時の比率でいうと、400mmレンズそのままの方がはるかに手ブレ写真が少なく、「もっと焦点距離を稼ぎたい!」と欲張ると、SSは最低でも1/1,000秒以上ないと不安で仕方ないという精神衛生上あまりよろしくない状態になります。

公式から外れてるけどちゃんと手ブレをケアすれば大丈夫という例を最後にもう一つ。
_IMG9459
カメラ:PENTAX K-3   ISO:400  露出:1/250sec  F値:  焦点距離:550mm 

上のハクセキレイの写真はノートリです。これも素のBORG 71FLなので400mm、フル換算600mmです。でもSSは1/250秒しか出ておらず、公式通りだと手ブレして当たり前のシャッター速度です。

ノートリだとまぁそこそこ解像してるようにも見えるし、手ブレがあっても分からないかなという画角だと思いますが、これを等倍に切り出してみましょう。

_IMG9459tobai

鳥屋さんがBORGを買う時の大きな動機である「少し遠くにいる鳥の羽一本一本を解像させたい!」というレベルぐらいには解像しています。BORGあってこその解像度です。

SS 1/250秒でもここまで解像させられるので公式は気にしなくていいし(と言ってもさすがにSS 5秒とか、そんなスローシャッターは無理です)、そこそこシャッター速度が出る天気、光度ならSSを気にするより、手ブレをしないように最大限気をつけるべきだと思います。

あと、手ブレ補正機能=SRは基本使わないことです。SRをonにして気楽に撮影するよりは、SR=offをデフォルトにして、どんな場面でも気合を入れて手ブレしないように撮影する心がけの方が結果として手ブレしない写真量産につながると思います。

以上ご参考になれば幸いです。

超広角と超望遠は「手ブレが天敵」という意味では共通する撮影スタイルで、険しい道のりですが、その先にある幸せ絶頂な世界を目指しましょう♪

 - 撮影テクニック

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Comment

  1. masuo より:

    >で、ここ数ヶ月のわたしの持論は「長い焦点距離で手ブレしてしまうぐらいなら、焦点距離はあまり稼がず、手ブレしない写真をきっちり撮った上でトリミングしてフレームを合わせる」方がいいと思っています。

    この一文が納得できません。
    そもそもブレ量は被写体との距離で決定するので、トリミングして拡大すれば、当然ブレも拡大するので意味が無いと思われるのですが。

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